異常って言われても構わない。
「おいおい大丈夫か?」


メンバーの新井が駆け寄ってくる。

黒ぶち眼鏡の黒髪短パツで
爽やかスポーツ少年風の
俺のクラスメートでもある。


「大丈夫じゃねぇ!
 いきなり投げんなよ馬鹿!」


当たったバスケットボールを
新井に向かって投げる。


「いや、いきなりじゃないから。
 ちゃんとパスって言ったから。」

「マジ?」

「マジ。
 珍しいな。
 バスケの時だけは真面目なお前が
 練習中にボーっとしるなんて。
 何かあったか?」

「別にっ何でもねーよ!」


ボールを拾ってドリブルする。


「早くやろーぜ練習!」

「あ?…あぁ。」


明希が誰かと付き合うことになったら
とか考えてもしょうがねぇ。

同じ男の俺にどうせ勝目はないんだから。

むしろ誰かと付き合ってくれた方が
諦めがつくってもんだ。

…多分無理だけど。


ダンッ


とにかく今はバスケに集中しろ!
明希のことは後から考えるんだ!

そうして俺は再び朝練を始めた。


*時雨side*終
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