異常って言われても構わない。
*時雨side*


「亮ちゃん!俺今日早引きさして!」


バスケの部活中
俺は1こ上の先輩かつキャプテンである
亮ちゃんに頭を下げていた。


「早引き?
 どうしたよ、部活大好きなお前が。」


そう、俺は部活大好きっ子。

今まで1回だって
早退、遅刻、欠席をしたことがない。

でも今日は事情が別!


「ちょっと用事が…。」

「急ぎの用なのか?」

「いや、そういう訳じゃねんだけど…。」

「じゃあ駄目だ。」


スパッと断られた。


「頼むよマジでー!」

「駄目ったら駄目。
 他の部員に示しがつかないだろーが。」


普段から派手な俺は
他の部員達から結構陰で言われるらしい。

キャプテンに甘やかされてる
とも思われてるらしいんだけど
そんなことは全然どうでもよくて!

今日は大事な日なんだって!


「ケチ!」

「別にケチじゃねぇだろ。
 ところで理由は何なんだ?」


あの明希が初めて勉強教えてくれるので
少しでも長く一緒にいたいからです!

…なんて言えるかっ!


「それは言えないけどー
 とにかく大事な用事なの!」

「理由言わないんじゃますます駄目。
 諦めて部活に集中するんだな。」


そう言われてバスケを再開したけど…
全っ然集中できねー。


明希…まさか今日の占い信じて
好きな子に告白とかしちゃってないよな?

それだけは止めてくれよ!

せっかく今日のその勉強会の時に
明希に好きって言うって決めたんだから!


なんて、明希のことばっかり考えて
気付いたら6時30分。


「よーし、今日はここまでー!」


亮ちゃんのその掛け声と同時に
俺は体育館を飛び出し速攻で着替えて
全速力で明希の家へ向かった。
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