異常って言われても構わない。
「じゃ、俺こっちだから。」

「おー朝練頑張れよ。」

「当たり前っ!
 また教室でなー!」


時雨は嬉しそうな顔で
体育館に駆けていった。

こんなクソ暑いなか密室でバスケして
何がそんなに楽しいのか…。


あれから結局
時雨は好きな子を聞いてこなかった。

俺はこのまま忘れてくれることを
願うばかりだ。


ガラッ


「あ、明希くーん。
 オハヨー。」

「辰樹(タツキ)
 はよー。」


教室につくと辰樹がいた。

辰樹も中学からのダチで
仲良くやっている。

男のくせに身長は156㎝と低くて
おまけに顔や性格までホワホワしてて
まるで女みたいな奴だ。


辰樹は教室に1人だけで座っていた。

あ、そっか。
今日は時雨の朝練のために
早く来たんだっけ。

皆遅刻ギリギリに来るからなー。


「辰樹はいつも早いよな。」

「家が近所だからねー。
 それに早く来たら
 たまに良いもの見れるし。」


そう言って辰樹はニコニコして俺を見る。


「なんだよ良いものって?」


俺は鞄を置いて
辰樹のそばの椅子に座る。


「明希くんは
 時雨くんのこと好きなんだね。」


………………は?

今…辰樹何つった?

俺が時雨を…好き?


何でバレてんのーーーっ?!


「まままま…まぁっ
 そりゃダチだからな!
 好きに決まってんだろ!」


慌てて口を開く。

あそこで黙ってちゃ怪しいもんな。

辰樹もまさか
『恋愛対象として』って意味の『好き』
のつもりで言ったんじゃないだろ。


「いや、そうじゃなくて
 loveの意味でだよ。」


らぶっ?!
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