異常って言われても構わない。
は…?

辰樹が時雨に…告白?


「お前何言ってんの…?
 つーか時雨のこと…」

「好きだったよ。
 中学生の頃からずっと。」


マジかよ…。


「でも俺はてっきり
 明希くんが時雨くんのこと好きなんだ
 と思ってたから
 ずっと黙ってたんだ。」


俺そんなこと気付かなかった。


「明希くん見てると
 あーこの人は本当に時雨くんのこと
 大事に思ってるんだなーってわかって
 僕なんか敵わないからって諦めてた。」


ドクン…

俺の手を握る辰樹の力が強くなる。


「でも違った。
 明希くんにとって時雨くんは
 ただの友達だった。」


ドクン
ドクン
ドクン


「じゃあ僕が告白しても
 何の問題もないってことだよね?」


ドクン


「駄目だっ!!!」


辰樹の手を振りほどき
びっくりして目を見開いた辰樹に怒鳴る。


「時雨は俺のモンだ!
 あいつに余計なこと言うんじゃねえ!」


静かな教室に
俺の怒鳴り声と椅子の倒れる音が響く。

呆然としていた辰樹がふと口を開いた。


「言えるじゃない明希くん。」


えへへ、と辰樹は嬉しそうに笑った。


「………は?」


まさか辰樹…


「俺に言わせる為に…?」


「だってそうでもしないと
 言わなさそうだったんだもん♪」


「な…何だよそれー。」


一気に力が抜けて
俺は地べたにひざまづく。

必死に叫んだ俺が馬鹿みてぇじゃん。
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