異常って言われても構わない。
「やっぱり明希くんは
 時雨くんが大好きだったんだねー。」


辰樹めっ
嬉しそうな顔しやがって!

だまされた俺の身にもなってみろ!


「あ、一応聞いとくけど
 お前時雨のことは…」

「あぁ、友達としか思ってないよ♪」

「そっか。」


はぁあーーーー…
良かったー。


「なぁ辰樹
 いつから気付いてた?」

「何に?」

「俺が…時雨のこと…
 す、す、…」

「ぷっ!
 『好き』でしょ?
 何恥ずかしがってんの?
 こんな明希くん初めて見る!
 面白い!」


辰樹爆笑。

何が面白いんだよ!
俺だって照れたりするっつの!


「中学生の時から…ぷっ
 …とっくに気付いてたよ…ぷぷっ!」

「そんな前から…
 てか笑うなよっ!!」

「だってぇ!
 明希くんなんか可愛いんだもん!」


か…かわ…?

可愛いとか
生まれて初めて言われたんですけど?


「顔すごく赤いし!」

「嘘?!」


慌てて顔を下敷きで扇ぐ。

そういや何か顔がやけに暑い。


「あー笑った笑った。」


ふぅ、と辰樹はため息をつく。

人をダシにして
散々笑ってんじゃねえよ。


「で、明希くんはいつ伝えるの?」

「誰に?何を?」

「時雨くんに、好きって気持ちを
 に決まってるでしょ。」


はぁああぁぁ?!


「言う訳ねぇじゃん!」

「え、何で?」


いやいやいやいや!

そんな
『伝えるのが当たり前でしょ?』
みたいな顔されても!


「絶対今の関係壊れるし
 言わないって決めてるから。」

「壊れるって…どうして?」

「だって普通気持ち悪いだろ。
 男が男を好きとか。」

「そうかな?
 性別は関係ないんじゃないかな。
 さっきも言ったでしょ。
 本当に愛してれば
 そんなのどうでもいいんだよ。」

「そうかな…。」

伝えても良いのか?

時雨に本当の俺の気持ちを。
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