あふれる、想い

―ren―

愛結花が好きだと連れて来てくれた場所

一面に広がる向日葵


俺はこの景色を絶対に忘れない


どれだけ愛結花といられるんだろう


どれだけその笑顔を見れるんだろう


どれだけ愛の言葉を聞けるんだろう


アメリカまで持っていきたい


でも…そんなの叶いっこない



今度は俺の好きな場所に連れて来た



「すっごーいキラキラしてるね」


そう言いながら笑う愛結花の方が
俺には眩しくてキラッてるよ


愛結花はスニーカーと靴下を脱いで
波打ち際で波と戯れてた


無邪気な愛結花

ずっと笑顔でいて欲しい


「蓮も早く~」


俺もスニーカーと靴下を脱いで愛結花に向かった


「気持ちいいな~」


「うん、
ねぇ…追いかけっこしようか?」


「バーカ
俺から逃げれる訳ないだろ?」


愛結花は走るの遅いもんな


「さぁどうかな?」


声を出して笑いながら
愛結花が波打ち際を走り出した


油断してた俺から離れていく


俺は全速力で追いかけた

いつもと違う


愛結花はかなり本気で走ってて

俺も真剣に追いかけた



「掴まえた」


俺は後ろから愛結花を抱きしめた

掴まえた時には2人とも息が上がってた


「あはは、掴まっちゃった」


「だから言ったろ?」


「・・・・・・」


笑ってた愛結花が急に黙り込んだ

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