あふれる、想い

「…懐かしいよね?」


「そうだな
また行きたいな」


行こうな…じゃないんだね


「また行こうよ?」


「おう
今度帰ってきたら
いっぱい旅行しような?」


「うん」


どうなるかわからない約束

それでも…私にとっては希望の約束

ねぇ…蓮もだよね?



「ケーキ食べよ?」

ソファに座ってケーキを食べる


お喋りをしていると時間は
あっという間に過ぎる


1つ1つを刻むように

お互いを結びつけるように

私達は時間を重ねあった


時間が止まればいいのに…


何度そう思ったかな


蓮が帰った後
1人で部屋で泣き続けた


どうしてまだ子供なんだろう


大人なら…ついて行けるのに…


どうしてまだ高校生なんだろう


蓮…蓮…傍にいたいよぅ


置いていかないで


神様…時間を進めないで

どんなに辛くても蓮にだけは言えない

蓮も辛さを口にしないから…

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