あふれる、想い

HRをサボってから始業式に出た


体育館の入り口で
心配そうに待ってた明日香と矢野君


「もう遅い~
大丈夫?」



「うん
心配かけてごめんね」



「辻の目ウサギになってるぞ」


「あはは
学校に来ると蓮がいっぱいいるんだよね」



「…そうだな」



泣きそうになる気持ちを
グッと押し込めて笑った


でも、笑ってると
周りはホッとした安堵の表情を浮かべるんだ


段々…嘘笑いが上手になってくる



相変わらず校長先生の話長いな…



仲良さそうな矢野君と明日香



妬ましいとかなくて

本当にただ純粋に羨ましい


蓮…なんで傍にいないの


唇を噛み締めた




いつかは蓮がいない事にも






慣れて





いかなきゃいけないのかな

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