あふれる、想い


「おまえら何してんの?」


ゆっくり目を開くと
上條が立ってた


私を掴んでた手は慌てて離され
振り上げられた手は振り下ろされた


罰が悪そうな顔



「何やってんだって聞いてんだよっ!!」


上條が女の子達を睨みながら
近づいてくる


いつもの陽気で優しい上條なんて
1㍉もない

怒りに満ちた目


みるみる内に女の子が真っ青になっていく



「上條もいい加減、目を覚ましなよ
こんな子より」


その子が言い終わる前に
上條はその子の胸ぐらを掴んだ


さっき私を叩いた子だ


「俺はっきり言ったよな?
おまえとは付き合わないって
こんな事する奴ぜってー無理だから」


「あんたは騙されてるんだよ」


「俺が傍にいたいからやってんだよっ
他人にとやかく言われる事じゃねー」


上條はそう言うと手を離した


「それから田端
岡野に振られた腹いせを辻にぶつけんな」


「別にそういう訳じゃ」


「そういう事だろっ
辻愛結花に手を出したら
男でも女でも許さねーから!!
わかったかっ」



田端さんと女の子は走っていなくなった

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