あふれる、想い

蓮がいなくなって2ヶ月

いないまま始まった新学期から1ヶ月



登校すると矢野君が明日香と近寄ってくる



何だろう?



何か心がザワザワする



「おはよ、明日香、矢野君」


「「おはよ」」


矢野君が眉間にシワを寄せてる

何かあるのかな…



明日香から手渡される手紙


宛名も送り主も書かれてない


「明日香からの手紙?」


笑顔で聞く私に苦笑いを浮かべる明日香


矢野君が頭をかきながらちょっと困ったように
口を開いた


「蓮から手紙が来たんだ
でも…住所は教えないでくれって…」


ドキンッ


止まっていたような動きしかしてなかった心臓が
早く動き出す


「あっ…ありがとう」


私は手紙を持って教室を出た


蓮がいなくなって一度も行っていない屋上


「はぁ…はぁ…」


逸る気持ちを押さえていつも一緒に座ってた所に座る


「何が書いてあるんだろう…」


手が震える


ゆっくり糊付けされた封筒を開いた

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