あふれる、想い
手紙を貰った日からも

泣きそうな日

寂しい時

蓮を思い出して切なくなった日


そんな日は涙を流す代わりに
ネックレスを強く握り締めた


ねぇ?…蓮

…強くなりたいよ


蓮がいなくなった熱い夏から

もう寒い季節になる


温もりが恋しいよ…








今日は矢野君が風邪で休みとかで
目の前でお弁当を広げてる明日香


「明日香とお昼久々だね」


「愛結が屋上…っとごめんね」


明日香は私が屋上を避けてるのを気づいてる

当たり前だよね

あれだけ蓮といたんだもん

笑って誤魔化した


「愛結と岡野は別れてないんだよね?」


「別れてないよ、何で?」


「岡野っていつ帰って来るか
わかんないんだよね?」


「…うん」


「他の誰かと付き合ったりしないの?」


何で…明日香はこんな事言うの?

蓮に何かあったの??


「っ…蓮が矢野君に何か言ったの?」


「そうじゃないよっ
けど、高校時代なんてあっという間なんだよ?
いつ帰って来るかわかんないんだし
他にも目を向けた方が良くない?」


な…んで?

そりゃ上條と噂されたりしてるけど
明日香はわかってくれてると思ってた


それとも蓮が矢野君に何か言ってるの?


明日香はわかってくれてると思ってた


「…酷いよ」


こんな事言いたくない

でも…思いが言葉になってた

明日香に腕を掴まれた

「ちがっ…無理して
笑ってる愛結を見るのが辛いんだよ
愛結、全然…私にも弱音見せないし
岡野に縛られないで…いいんだよ?」


縛られてる?


「縛られてなんかない」


「無理して岡野だけを想い続けなくて良いんだよ」


「何でそんな事ばっか言うの?」


「愛結いい加減、前に進みなよ
あんた見てると切なくなるよ」


明日香の手を振り払って…

私は…

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