あふれる、想い
「1人で泣くなよ
俺が受け止めるって言っただろ?」
「かみ…じょう…」
辻の声が震えてる
「俺を頼れって言ってるのに…
岡野の事…忘れちまえよ」
「何で…みんなそう言うの?」
原田との喧嘩の原因もそれか?
「辻の辛そうな所もう見たくねーよ
俺が…俺ならずっと傍にいるから…」
「…ごめん」
いっつもごめんばっかだ
聞きたい言葉はそんなんじゃないのに…
「俺じゃ岡野の代わりになれないか?」
「・・・・・・・」
「岡野の代わりでもいい
岡野の事…忘れなくていいから
俺じゃダメか?」
何で…何も言ってくれないんだよっ
「俺…ゆっくり待つから
辻は1人じゃない
俺がいる事忘れないで」
俺は気持ちを強く込めて
辻を抱きしめた
辻は肩を震わせて泣き出した
こんな弱ってる時に付け入るような事は
俺だって本当はしたくなかった
しないって思ってた
だけど…
苦しんでる辻を見るのも
いい加減、限界なんだよ
いつだって俺がいるから…
だから…もう泣かないでくれよ