あふれる、想い
「蓮は蓮だよ
…誰も蓮の代わりにはなれない」


辻から発せられた言葉に

俺は…


心が痛い


そうだよな


俺なんかじゃ無理だよな



だけど…これは本気でキツイわ


俺…立ち直れないかも


全身から力が抜けて
そっと辻から離れた



「上條は上條だよ
誰かの代わりなんて思えない」


俺は一縷の望みをかけて
辻を見つめた



「でも…上條の気持ちには
やっぱり応えられない」


わかってた


まだ岡野が好きだって事も…


俺を好きになる事もないって…


それでも…


「わかってた
そう言われる事…」



「ごめ「謝るなって言ってるだろ」


自分でも驚く程
冷たい声が言葉と出てきた


俺はそれ以上は何も聞きたくなくて
何も言わないでその場を後にした


辻が俺を見てくれない事なんて
わかりきってただろ


何を期待してたんだ


辻が弱ってる今なら…


そんな卑怯な気持ちでいっぱいだった


でも…それでも辻が好きなんだ


諦める方法なんて知らねーよ


ずっと好きだったんだ


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