あふれる、想い

「大丈夫か?」


遠くで上條の声が聞こえる


目の前が真っ白になって

私は意識を手離した









蓮がいなくなって

待ってる

この気持ちは変わってない




だけど…周りからは別れたって見えるんだ




離れてる距離がもどかしくて

不安で

もう何をどうしたら良いのかわかんないよ



ただ蓮が好きなだけなのに…



好きって気持ちだけじゃダメなのかな?



愛してる


蓮のその一言が聞きたいよ



こんな不安にあとどれぐらい耐えたら

蓮に逢えるのかな?


本当に逢いに来てくれるのかな?


空港のロビーで蓮と交わした会話ばかり思い出す


「卑怯かもしれないけど
俺は…別れようとは言わない
俺がいない間、他の男の所にいっても
それは愛結花の自由だから…」



「俺の中でも愛結花が1番だ
でも…俺は愛結花が悲しんでも泣いても
涙を拭ってやれない
だから…」


「遠く離れても愛してる」


「必ず帰って来るから…帰ってきたら逢おう」


「連絡はしない」


「連絡したら愛結花に逢いたくなって
堪らなくなるから
帰って来た時に連絡する」


「耐えられなかったら
待ってなくて良いから…
でも…帰国したら逢って?」


蓮…今すぐ抱きしめて


愛結花だけだよ


愛してる


声を聞かせて…


俺だけを見てろって言ってよ…



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