あふれる、想い
「ねぇ、矢野君
蓮は元気にしてるのかな?」


「…元気みたいだな
辻の事心配してた」


蓮…離れても
蓮も私の事心配してるんだ


「俺、言ったんだよ
離れてる間に辻が他の男にいったら
どうすんだ?って」


「何て言ったの?」


「そういう事を考えてない訳じゃない
でもな、もし他の男にいっても
何もいう権利はないって」


行くなって言って欲しかったな…


「繋がってる運命なら
もし離れても、もう一度繋がるはずだから
そう言ってた」


涙が溢れた

明日香が優しく抱きしめて
背中を擦ってくれる


「蓮だってずっと辻の事
自分の傍に置いておきたいと思ってるよ
だけど…それは今は無理だから
お互いフリーになって見つめ直して
再会した時に繋がればいいなって
俺も言ったんだよ
だから…辻も辻の生活を
辻らしく過ごせば良いと思う」


「…そうだね」

微笑んで返すしか出来ない



だって…やっぱり蓮が好きだから…


でも、心配して
支えてくれる友達が
たくさんいて
すごい幸せだと思う



蓮の事は大好き

今でも
今すぐ逢いたい


だけど…現実をちゃんと見て
毎日を過ごそう

でないと、蓮だって心配だよね


いつかまた逢える


それまで、私も成長していたいな



ねぇ、蓮
次に逢える時まで
頑張るからね


ネックレスを握り締めて
空を見上げた


ようやく時間が進みだした気がする


「矢野君、蓮に頑張ってって伝えて
私も頑張るからって…」


「わかった」


矢野君も明日香も優しく微笑んでくれた




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