あふれる、想い
教室に入ると
慶吾は大橋達と話をしてたから
俺は辻の後を追って輪に加わった
どうやらクリスマスの話をしてたらしい
「俺の家はどう?」
「家族は?」
慶吾の提案に山口が聞いてる
「親は旅行だし
兄貴は彼女の所行くって言ってた」
「じゃあ、料理持ち寄って
村上の家でパーティしようよ」
大橋がすっげー盛り上がってる
いつの間にかイヴは慶吾の家で
パーティをする事になった
もちろん辻も来る
だから、俺も行く
すっげー楽しみだ
その前に試験があるのが憂鬱だ
でも、試験が終われば冬休みだし
冬休みの間に辻との距離を縮めたい
今、間違いなく
辻に1番近い位置でいるのは俺だ
他の男が辻に近寄れないようにしてる
もう二度と
他の男に奪われたくない
岡野がいない今しか
俺にはチャンスがない
卑怯でも何でもいい
辻に笑って欲しい
俺だけに笑顔を向けて欲しい
もう俺の手をすり抜けていく辻を見たくない