あふれる、想い

切なさを押し込めて
チューハイを飲み干した


麻紀ちゃんと菜々に進められて
2本目のチューハイ


なんかボーっとする


「いや~愛結が酔った~」


「菜々が飲ませるから~」

「麻紀だって飲ませたじゃん」


「「あははは」」


2人も酔ってる?…よね


「村上は何で彼女作らないの~?」


菜々と麻紀ちゃんが村上君に絡みだしたから
その輪から少し離れた


手には菜々に開けられて渡された3本目


「にがっ…」


ビールはやっぱり苦手


「換えてやるよ」


飲みかけてのビールを上條に奪われて
半分ぐらい飲みかけのチューハイを渡された


これって間接チューだよね

まぁでもいっか


酔ってるけど酔いきれない


でも…どうでもいい




「上條は酔ってないねぇ~?」


「俺と慶吾は強いからな」


「さすが男の子だね」


ボーッとしてると
また蓮の事を考えてしまう



蓮は今頃どんなクリスマスを過ごしてるのかな?

家族?

友達?

それとも…女の子?


お酒を飲んだせいか…涙腺が弱い


目の前が滲んできた


「辻?
どうした??」


「……な…んでも…ない」


涙が零れないように
唇を噛み締めた


上條の大きな温かい手が
瞼に触れて、涙を拭われた



「楽しい事だけ考えとけな?」


「うん」


そうだよね…せっかくのクリスマスだもん


「愛結~もっと飲むんだ~」


「おいおい、大橋は辻に飲ませすぎだろ」


「上條は過保護すぎなんだよ~
愛結はもっと飲んで自分を開放するべきだし~」


菜々に煽られて
残ってたチューハイを一気飲みさせられた


頭がグルグルする~

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