あふれる、想い
食堂から戻っても
辻は教室にいなかった
いつも俺の隣の席にいるのにな…
って何、辻の事ばっか考えてんだよ
俺が好きなのは山口だろ
≪今日一緒に帰れないかな?≫
≪いいよ~≫
ヤッタ
一緒に帰れる
嬉しいはずなのに
思った程…嬉しくないな
何でだろう
まぁでも、山口と帰れる
それはそれで楽しみだ
チャイムが鳴ってようやく辻は戻ってきた
でも…俺の方を見ようとしねーんだ
授業中も寝た振りしてるし…
俺の何がいけなかったんだろう??
今日は昼からの授業は1時間だけ
終わったら、下駄箱で山口と待ち合わせだ
どこか寄ろうか…そう考えてると
授業が終わった
「辻、一緒に帰ろう?」
また岡野だ
何だろう、無性にイラつく
「うん、いいよ」
辻…岡野が好きなのか?
いやいや、俺には関係ねーよ
俺は2人を見ないようにして下駄箱に向かった