あふれる、想い
―ayuka―


うぅ…何か重い

しかも、頭痛い


目をゆっくり開くと
目の前に上條のドアップがあって
思わず大声を出しそうになって
慌てて自分の口を手で押さえた


昨日は村上君の家で
クリスマスパーティと称して
お酒飲んだんだったっけ…


楽しいクリスマスパーティのはずなのに
たくさん蓮の事を思い出しちゃったな


上條の顔をジッと見つめた


ここにいるのが蓮だったら良かったのにな




って私…酷いよね



上條の気持ち知ってるのに
昨日も…蓮の事思い出してた


上條の優しさが切ない


だって…蓮の優しさに

時々似てるから…



蓮は蓮


なのに…上條に重ねちゃうんだ



上條がいつも傍にいてくれるから

それを良い事に甘えてきた



蓮とは違うけど

その優しさに


蓮が傍にいてくれる


そんな錯覚すらしてしまう時がある


蓮が好き

愛おしい

今すぐ逢いたいぐらい



だけど…上條も一度は好きになった人


上條の良さも沢山知ってる


好き?

ううん…好きじゃない


なのに…蓮を重ねて

自分だけが癒されてる


こんなにも優しくして貰ってるのに…


上條を好きになれば楽になれたのかな




ううん…今度はきっと

蓮に悪く思ってしまう


上條の近くに居過ぎた…




気づくのが遅くなっちゃったけど

これ以上…上條を傷つけたらダメ



こんなに良くしてくれてるのに

気持ちに応えられないから…

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