あふれる、想い
波のように

伝わる気持ち

―ayuka―

上條の深い気持ちはすごく伝わってきた


でも…応えられない


ねぇ…蓮

どうして今ここにいてくれないの?




「でっこんな大事な日にどうしたっていうの?」

目の前にはすっごい不機嫌そうな明日香

私と明日香がお気に入りのカフェ

目の前には温かそうに湯気が出てる
カフェオレが2つ


「ごめんね、クリスマスに…」


「くだらない用事なら怒るからね
後1時間ぐらいで岳志が迎えに来るから…」


相変わらずハッキリしてる明日香

私も明日香みたいにハッキリしたいなぁ


1時間か~

クリスマスだもん、当たり前だよね


「たぶんくだらなくはない…かな
本当ごめんね」


「はぁ~、いいよ
まっその顔見てれば何かあったのわかるしね」


顔に出てた?


私は朝の上條とのやり取りを明日香に話した


「とうとう上條も動き出したね~」


驚く私に続けた


「あれだけわかりやすい上條だよ
ずっと思い続けてたのもわかってたし
とうとうって感じだね」

冷静にカフェオレを飲んでる


「確かに気持ち言われたのは
初めてじゃないけど…」


「岡野の事はおいといて
上條の事どう思ってるの?」


「・・・・・・・」


何も答えられない私に明日香が小さくため息をついた


「あっ…」

入り口の方を見て明日香が声を出したから
振り返ったら矢野君が入って来た


もう1時間経ったんだ…


「よっ、辻メリークリスマス」


「メリークリスマス
今日は邪魔してごめんね」


「別に良いって」


矢野君は明日香の横に座って
ホットのブレンドを注文した


すぐに運ばれてくる


「それで今日は何の話?」


楽しそうに聞く矢野君に
明日香がまた小さなため息をついた


「えっ、俺はずした?」


「違うけど…あんまり良い話じゃないわよ」


明日香の言葉に俯いた私の代わりに
矢野君に説明をしてくれる


「…辻はどうしたい訳?」
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