あふれる、想い

俺は…辻を諦める…しかないんだよな


「上條」「わかってる」

ごめんを聞きたくなくて

辻の言葉を遮った

「どれだけ岡野を好きかわかったから…
俺はもう諦めるわ
ごめんな
いつもいつも困らせて…
それでも俺は辻が好きだった
でも…もう終わりにするから安心しろよ」

「あのね」

「ごめん
これ以上聞けそうにない
みんなの所に送ってやれないけど
迎えに来て貰えよな
俺は…帰るわ」

何もなかったように振舞えない

何より辻を見るのが今は…
辛すぎる

泣きたいぐらい…切ねー





俺は辻に背中を向けて歩き出した






好きで好きでどうしようもなかった

でも…俺の気持ちは受け入れて貰えない

誰よりも好きだった




この気持ちを消す事なんて出来るのか…

俺の頬に温かいものが流れた

…情けねーよな

だけど…本気で好きだったんだ




辻が岡野を選んだ時に

諦めていれば

こんなに気持ちは大きくならなかったのか?


こんなに辛い思いをせずにすんだのか?


タイミングを掴み損ねた時点で
未来は決まってたのにな



どうすれば

辻を好きな気持ちを消せれる?


誰か…教えてくれよ

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