あふれる、想い

「上條の事たくさん傷つけると思う
蓮の事を好きな気持ちは
…きっと消せれない」


「それでもいい
俺を少しでも好きでいてくれるなら
それだけで十分だし
岡野を好きな気持ちごと受け止める覚悟は
もうとっくに出来てるから…
だから…俺といてくれればいい」


上條の深い気持ちが伝わってくる




上條の手を掴んだのは間違いかもしれない


許されない事かもしれない


それでも…失う事を考えると

この手を掴んでしまってた



蓮の手を掴んだまま

上條の手を掴んだ



どちらも失う日がくるかもしれない


それでもいい


その日まで…両手を離したくない


いつからこんなに欲張りになったんだろう



ねぇ…人の気持ちって

簡単に揺らいだりしちゃうんだね



蓮…あなたの心は揺らいでませんか?


私は…揺らいでしまいました


あなただけ…そう誓ったのに…


もうあなたの手は握れないかもしれない


大好きだけじゃいられない


そんな切なさを知りました…


ただ待つ事すら出来なかった



「自分を責めるなよ…
岡野だって辻を
中途半端に残していったのが悪いんだ
岡野には一緒に謝るし
何度でも殴られてやるから…
俺といる時は俺だけを見て?」


上條を不安にさせちゃいけないよね


私は小さく頷いた


「ようやく辻を取り戻せた
…なぁ翔って呼んで?」


「しょ…ぅ?」


「すっげー嬉しい」


翔はすごく嬉しそうに笑ってくれた


こんな笑顔…初めて見たかも

照れくさそうにはにかんでる


「やっと愛結と友達以上になれたんだな」

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