あふれる、想い

翔はずっと手を繋いだままで
みんなと合流した


何て言われるか…怖くて不安


村上君と菜々と麻紀ちゃんが
私達の手を見た後
私と翔を交互に見た


「翔~良かったな」

村上君と翔がハイタッチをしてる間

興奮した菜々に抱きしめられた


「愛結~幸せになるんだよ」


「…ありがと」


「上條ヤッタね」

麻紀ちゃんが翔の背中をバシバシ叩いてる


「痛いけど…幸せだから許す」


「惚気んな」

村上君にまで背中を叩かれてるよ



「鈍い翔がこれ程までに成長するとはな」


村上君がニヤリと笑ったから
菜々と麻紀ちゃんが笑ってる


「うっせー」


翔が怒って村上君の膝の後ろに蹴りを入れた



みんなに責められたら

どうしようかと思ってたけど

喜んで貰えてちょっと安心した



境内に響き渡る除夜の鐘



1月1日になる瞬間をみんなでカウントダウンした


「「5,4,3,2,1」」


「「「あけましておめでとう」」」


今年1年…どんな1年になるのかな



5人でお参りをする事にした

私は奮発して500円玉を賽銭箱に入れた



『蓮がアメリカで健康で頑張れますように
辛い思いや苦しい思いをしませんように…

翔をこれ以上傷つけませんように…

私がもっと強くなれますように…』


神頼みだけじゃなく
自分も努力しなきゃいけない


だけど…神様がいるなら
願いを叶えてくれますように…


お願いをした後、翔の顔を見ると
優しく微笑んでくれた


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