あふれる、想い

席に案内されて、メニューを見てる愛結花

小さい子供みたいで可愛い


「翔は何にする?」


全力で走ったから喉乾いたな


「俺はコーラー」


「コーラー?!
子供みたーい」


はっ?
別に良いじゃねーかよ


辻は店員を呼んだ


「コーラーとホットココア
あと、フォンダンショコラ」


「はい、かしこまりました」


「はぁ?」

何ケーキまで頼んでんだよ


「だって美味しそうなんだもん」


まぁ喜んでるからいっか




運ばれて来たコーラーと
湯気が出て温かそうなココア


「あったまる~」


相変わらず表情がコロコロ変わるな~


飲み物を飲んでるとケーキプレートが運ばれて来た



「美味し~い」


本当に美味しそうに食べてるから
余ってるスプーンで
反対側から食べてやった



「あっ…ちょっと!!!」


「本当、美味いな」


笑顔で答える俺に
もう仕方ないなぁって感じで
真中に置いてくれるから
2人で1つのケーキを食べた


あぁすっげー幸せを感じる


でも…岡野ともこういう事したのかな?


「男の子と1つのケーキを2人で食べたの初めてだよ」

笑って言う愛結花にちょっとホッとした


「女同士はよくやんの?」


「1つを2人ではないけど
半分食べて換えっこはあるよ
明日香とはよくするよ~」


楽しそうに教えてくれる



誰ともした事ない

こんな小さな事なのに

辻の初めてが俺にもあった事が嬉しい




俺って…本当小さい男だ


だけど…小さい事で良いから

少しずつ見つけていきてーな

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