あふれる、想い
雨
―shou―
愛結花と付き合い始めて半年が経った
付き合って半年経つのに
俺はまだキス止まり
本当は愛結花を抱きたい
俺だって男だし
誰よりも愛結花を愛してる
でも…まだ岡野が心にいるのがわかる
愛結花は気づいてないかもしれないけど
時々、空を見上げては
胸元で手を握り締めてる
ずっと外していないネックレス
たぶん…いや…間違いなく
岡野が贈った物だろう
俺はずっと2番目なのかな
今日は愛結花と映画を観に行く
震災の話
愛結花は最初からずっと泣いてた
すごく感動的で
俺も視界がボヤけたりした
映画館を出て
次はどこに行こうか?
そんな話をしていたら
急に雨が降り始めた
さすが梅雨の季節
出かける時は晴れてたのにな…
俺は着ていた半袖のジャケットを広げ
愛結花と2人で走った
「すっごい雨だったね~」
「止みそうにないな」
雨で濡れてTシャツが透けてる
ドキドキする
「俺の家、近所だし来る?」
「いいの?」
「おう」
2人で俺の家まで走った
俺の家は共働きだし誰もいない
姉貴もこの時間はいないしな…
「風邪引くといけないから」
俺はバスタオルを渡した
俺の服を貸して
シャワーでも浴びるか?
そう聞いたら
拒否されたから…
初めて来る家だもんな…