あふれる、想い

不安の代償

―ayuka―

結ばれた日から
笑顔を向けつつ
いつもと違う翔に気づいてた


だけど…何を言えば良いのかわからなくて
普段通りに接するしか出来なくて…


自分の不甲斐無さに堪らなくなった


蓮の事で翔を不安にさせてる


蓮の元にはもう戻れない


そう思ったはずなのに…


いつまでもネックレスをつけてるから…


私は初めてネックレスを外した


外した後

ネックレスを握り締めた


翔に抱かれた以上は

翔だけを見つめなきゃいけない


そう思って、机の引き出しに
ネックレスをしまった


翔の傍にいる以上は
このネックレスをつけるのを止めよう


翔だけを好きになって
翔だけを見つめる


そう強く決意をして
家を出た


学校に着いたけど
翔はまだ来てなかった


HRが終わった後も来てなくて
村上君に聞いてみた


「翔は?」


「あぁ…寝坊じゃね?」


まだ寝てるのかな?


翔の携帯に電話を掛けてみた


数回コール音が続いた後、留守電になった


1時間目の後も…2時間目の後も…


何かあったのかな?


3時間目の後、ようやく電話に出た翔



「もうずっと電話してたんだよ?」


「ごめん…寝てた」


何か…様子が変だよね?


「…今から急いで行くから」


翔が今まで寝てても
電話に出ないなんて事なかった


心がザワザワする
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