あふれる、想い

俺は慌てて家に戻り
制服に着替えてから
急いで学校に向かった


ちょうど昼休みで
学校に行くと愛結花が
教室の前の廊下で待ってた


そんな愛結花の姿を見ると
胸が痛んだ



しかも…気づいた


愛結花の胸元から
いつもあったネックレスが外されている事を…


愛結花が俺だけを見てくれてる


そう初めて思えたのに…


俺は何て事をしてしまったんだ



時間を戻せれるなら
戻したい


愛結花が岡野の元にいってしまった時

同じ事を思った


タイミングの悪さを呪った


なのに…同じ事をしてしまった


何とか愛結花に誤魔化して
教室に戻った


慶吾が慌てて近づいてくる


「携帯かけても繋がらないし
辻は心配してるし…
翔まさか…」


「そのまさかだよ
慶吾…どうしよう?」


「とりあえず辻には隠しとけ」


隠す?

それで良いのか?


「別れたくないなら
嘘を突き通して隠しとけ
なっ?」


肩に手を乗せられて頷いた


「全然、携帯にも出ないし焦ったぞ?
さっきもかけたとこだし…」


携帯なんて鳴らなかったけどな…

俺はポケットに手を突っ込んだ


あれ…相当慌ててたから
家に忘れてきたのかな


携帯ないと不便だな


俺はこの時、大事な事を忘れてた…



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