あふれる、想い
「ごめん…酒飲んで気づいたら…
本当にごめん」
愛結花の顔を見る事が出来ない
俯くしか出来ない
愛結花と終わってしまうかもしれない
だけど…嘘をつくより言った方が良い
いや…黙ってる事より
喋って懺悔して
…楽になりたかったのかもしれない
俺の手が優しい温かさに包まれた
俺は恐る恐る顔を上げた
愛結花は空だけを見てた
「謝らなきゃいけないのは私だね
私がいつまでも蓮を引きずってるから
翔に嫌な思いさせてたんだよね」
俺が…俺が悪いのに…
愛結花の何もかもを受け止める
岡野を好きで良いって言ったのに…
「ちがっ
俺に隙があるから…
しっかりしてないから…
でも…一度だけで
これからは会うつもりもないし
許して欲しい…」
ムシが良すぎる
わかってるけど…俺は…
愛結花は空に向けていた視線を
俺に向けて悲しそうに笑った
「何度謝っても許される事じゃないって
わかってる
だけど…愛結といたいんだ
俺の為にネックレスを外してくれたんだろ?
なのに…本当にごめんな」
「…悪いのは私もだから…
ごめんね
蓮の事があるから翔の事を責めれない」
愛結花が俺を責めないのは
岡野の事があるから…
一層、責められた方が
…楽だったかもしれねーな
だって…愛結花は
きっと自分を責めてる
そういう思いをさせているのは俺
あんなに後悔したのに
またそんな思いをさせてる
本当、学習能力が無い自分に
反吐が出るほど嫌気がさす
アルコールの力とは言え…
…なんて事をしてしまったんだろう
もう時間は取り返せない
だけど…
「もう2度としないから…」
俺は今に縋るしかない