あふれる、想い
「翔だけが悪いんじゃない
私も悪いんだよ
…ごめんね」


「違う
俺が…俺が悪いんだ
ごめんな」


「翔だけを見れなくてごめんなさい
翔の事は好きだし…
翔だけを好きになれると思ってた
でも…私は翔に不安な気持ちや
辛い気持ちしかあげられないから…」


嫌だ


聞きたくない


「…離れた方が良いと思うんだ」


「嫌だ…浮気した俺が悪い
だけど…心は愛結だけだから…
俺の傍から離れていかないでくれよ…

俺は愛結がいないとダメなんだ
信じて貰えないかもしれないけど
一緒にいたいのは愛結だけなんだ」



「翔の気持ちは真っ直ぐで
それに嘘や偽りがないのはわかってるの
だけど…そこまで
翔を追い詰めたのは私だから…」



「嫌だ
俺は別れたくない」


子供みたいに
駄々を捏ねてるってわかってる

愛結花がいなくなるのには耐えられない



俺は何て…
…浅はかな行動をしてしまったんだろう


「…正直、浮気されてすごいショックだよ
だけど…今、翔の隣にいる自信がない
ちゃんと見つめ直したい」


そ…んな…


見つめなおしたら…俺の所には
もう戻って来ないだろ…


「どうしても…ダメなのか?」


俺は声が震えた


「一先ず距離を置きたい」


それって別れるって事だろ?


最後には結局







「俺は離れられねーよ
考えるとか言うな
それなら…今すぐここで
別れてくれよ」


愛結花は切なそうに俺の顔を見つめた


「結局は別れるんだろっ
だったら今言えばいいじゃねーか」


自分が悪い

わかってる

だけど…待つ事に俺は耐えられない


今まで待ち続けた


それでも結果がダメならもういい


何もかも…終わったんだ


俺は涙が溢れてきた

男のくせにみっとも無い


でも、今はそんな事
もうどうでもいい


きっぱりと終わらせてくれよ…

もう優しさなんか要らない


愛結花を手離さなきゃいけないなら
俺を…壊してくれよ

消えてしまうぐらいに…







< 200 / 290 >

この作品をシェア

pagetop