あふれる、想い
―shou―
愛結花が切なそうに俺を見つめてる
俺はもう愛結花の気持ちを優先しない
俺の俺だけの気持ちを優先する
愛結花が大好きで
離れたくない
離さない
それが俺の心の全て
俺はその気持ちを優先する
「俺の手を掴めよ」
掴んで欲しい…
掴んでくれないかもしれない…
だけど…掴めよ
愛結花は小さく頷いた
「何があっても離さない」
俺は愛結花にキスをした
唇と唇が僅かに触れるだけのキス
もう少しで愛結花を手離す所だった
愛結花がいつか
俺だけを好きになってくれれば
それでいい
岡野がこのままアメリカから
戻って来なければいいのにな
俺は…岡野の存在の不安を打ち消す事は
この先もずっと出来ないだろう
帰国したら愛結花と会う約束
見えない呪縛みたいで
それを解く方法すら見つけられない
何より…岡野を見た瞬間
愛結花が岡野にいっちまうかもしれねー
だけど…今は愛結花の手を握っていたいんだ
いつか…考えたくないけど
もし、岡野の元に戻ってしまうとしても
俺は…