あふれる、想い
「岡野がアメリカに行ってから
愛結は笑ってたけど…見てて切なかった
無理して笑ってるのがわかってたから…
何か出来ないか…そう思ったけど
私では岡野の代わりは出来ない」
明日香に心配かけてたのと
優しさが嬉しくて目の前が揺らぐ
泣いちゃ…ダメだ
「だから…岡野の代わりになるなら…
上條しかいないって思った
一度は愛結が好きになった男だったから
上條だったら支えられるって思った
だから…卑怯だけど
上條を利用して愛結を焚きつけたんだよ」
明日香は涙を流し始めた
私は明日香を優しく抱きしめた
「…ごめんね
何も出来なくて…何も出来ないくせに
小ずるい事して…
上條にも酷い事してる
純粋に愛結を想う上條の気持ちを利用した」
「明日香…自分を責めないで
選んだのは私だよ
明日香は悪くない」
「…愛結」
「いつも強くなりたいって思ってた
優しくされると揺らぐ自分の気持ちが
嫌で仕方なかった
でも…私が翔を選んだんだよ
明日香の事を嫌ったりなんかしない
これからも明日香は私の大事な
大好きな心友で…大親友だよ」
「愛結~
私も愛結が大好きだし親友だよ」
「悩んだ時、辛い時
いつも支えになって貰ってるよ
いつもいつも…ありがとう」
お互いを抱きしめあって
私達は涙を流した
「ねぇ、愛結?」
「ん?」
「焚き付けといてなんだけど…
岡野をただ待っても良いんじゃない・・・かな」
首を左右に振った
翔を選んだ時点でそれは出来ない
「上條も岡野も正直
私にはどうでも良いんだよ
…前にも・・・
前にも言ったけど
私には愛結の幸せが1番大事
ズルかろうが卑怯だろうが
何だろうが愛結が選んだ事が全て
私は味方だからね」
一度止まった涙がまた溢れた
「自分の幸せを考えな」
ゆっくり頷いた
翔を選んだんだから、翔といる
でも…明日香の気持ち
すっごく嬉しかったよ
ありがとう