あふれる、想い
―shou―
次の日
学校に行くと愛結花はまだ来てなくて
廊下に出て登校してくるのを待った
無性にドキドキする
少しすると、原田と笑いながら
愛結花はやって来た
昨日は原田にも見られたんだっけ
原田の事だから、たぶん何か言ってくる
そう思って、心の準備をした
「翔、おはよ」
愛結花が笑顔で話しかけてくれて
心がすごく安心する
身体全体がほんわかした雰囲気に包まれる
「おはよ」
俺が微笑み返すと、愛結花も微笑み返してくれる
原田は俺をチラッと見た後
愛結花に一声かけて教室に入って行った
絶対、何か言われると思ってたのに
…何だか拍子抜けした
俺が話す何気ない会話に笑ってくれる
岡野じゃなく俺を選んでくれた
俺だけを見て笑いかけてくれる
それがすごく伝わって来た
付き合い始めて、初めて穏やかな気持ち
俺の決意の仕方も変わったからかもしれないな
この笑顔を見続けたい
いつも笑顔でいて貰いたい
そう心から思える
今、愛結花を幸せにしてやれるのは俺だけだ
自信を持って言える
嫌な思いをさせた分
俺は愛結花を大切にしたい
俺が出来る事
愛結花が笑顔になってくれる事が
俺はすごく幸せを感じられるんだ