あふれる、想い
冷たいアイスティーとクッキーを準備した


翔が浮気をした後
本当にすごく大事にされてる


それを感じるんだ


私が翔だけを見てるから
翔も安心してるのがわかる


すごく穏やかな時間


浮気する前に一度だけ
お互いの体温を感じあった

それ以来
キスしかしてないけど
それでも気持ちは伝え合えてる


幸せに包まれてる


私は明日香の元に戻った




ドアを開けると明日香が話をしてた





………というよりそれ…

私の携帯だよね?!

って誰と話してるの?


「バーカ
愛結は私のなの」


「岳志?
そんなの今知るか」


矢野君の事そんな風に言っていいの?




そうじゃなくて!!!!



明日香は私を見てニヤリと笑った



「愛結は今日私とデートしてたの
良いでしょ?!」


「普段からボケーッとしてる子だから
携帯に気づかなかったんじゃない?
映画見てたからたぶんマナーにして忘れてたんだよ」



「あははは
本当、愛結らしいよね~」


「あっ愛結が戻って来たから代わるね」


明日香に携帯を渡されて耳に当てた


『もしもし?』


間違いない翔だ


今日1日マナーにしてたから…


「もしもし?」


『原田から全部聞いた
携帯繋がらないから心配しただろ』


「ごめんね~
ついうっかりマナーのままにしてたみたい」


『愛結はそそっかしいな』


電話の向こうで笑ってる翔の声を聞くと
少し胸が痛んだ


電話で良かった


だって…今、私がどんな表情しているのか
気づかれずに済むから…


「本当ごめんね~
次から気をつけるね」


『まぁ初めてじゃないし
今度こそ気をつけろよな?』


「はーぃ」


実はマナーにしたままって
普段からよくしちゃうんだよね


1年前から…


『まぁちゃんと家みたいだし安心したわ
また連絡するな』


「うん
本当心配かけてごめんね」


電話を切った後
明日香の方を見るとクッキーを食べてた






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