あふれる、想い

明日香と矢野君は仲直りして
すっかり元の2人に戻ってた

2人で照れくさそうに謝りに来てくれた



センター試験や入試に向けて
落ち着かない日々が過ぎて行った



「「受かった!!!受かったよ~!!!」」


菜々と麻紀ちゃんが満面の笑みで
教えてくれる


専門は大学より合格発表が早い



「おめでとう~」


「良かったね~」


私と明日香は笑顔で
菜々と麻紀ちゃんと喜んだ




入試が終わって

今日はちょっと遅れたバレンタイン



チョコレートを持って

待ち合わせた公園に向かった



「ごめんね、待った?」


珍しく翔の方が先に来てた



「俺もさっき来たとこ」


笑って答えてくれる翔



お昼時の待ち合わせだったから
2人でファーストフードのお店に入った


ハンバーガーを食べながら
受験が終わった安堵感を漏らした


「やっと受験が終わったね」


「だな」


「合否までドキドキだけど
受かってればいいね」


「そうだな」


何か…いつもと違うよね?


「大学離れても近いし大丈夫だよね?」


「………おう」


何かあるの?


聞きたいけど、聞けない


口数少ない翔が不安で
色々話かけながら食事を済ませて
早々に店から出た

店を出る頃には私も口数が少なくなってた


「ちょっと公園に戻ろうか?」


「……うん」


一緒にいたいけど…何を言われるか怖い


行きたくない


不安で胸がドキドキする

< 223 / 290 >

この作品をシェア

pagetop