あふれる、想い
―syou―


受験も終わって

言わなきゃ…



そう思うのに…タイミングが難しくて

なかなか言い出せなくて

つい口数が少なくなってしまう



一生懸命に話しかけてくれる愛結花



けど、愛結花も段々

口数が少なくなってきた



不安にさせてるよな?



ちゃんと言おう




そう思って

待ち合わせた公園にまた戻った



「座ろうか?」



俺が指差したベンチを見て

愛結花は少し間を開けてから頷いた



2人でベンチに座る



「俺」


「あのさっ
バレンタイン会えなくて少し遅くなったけど…」


意を決して口を開いたのに

愛結花に遮られた



少し手を震わせながら

愛結花が小さい包みを取り出した



赤い包装紙で包まれて
金色のリボンがかかってる


たぶん手作りだよな…



「ありがとうな」


俺はそれを受け取った


不安そうに俺を見つめてる


「開けていいか?」


「うん」


ぎこちない笑顔


俺は胸が締め付けられそうになりながら
包み紙を開けた

中にはトリュフチョコが入ってた


「ちょっと歪になっちゃったけど」


俺は1つ取り出し口に放り込んだ


甘い味が口に広がる


「そんな事ねーよ
めっちゃ美味い」


俺が笑顔で言うと
愛結花はホッとしたように笑顔を向けてくれる


「口開けて?」


恥ずかしそうに口を開ける
愛結花の口にも1つ入れた


「ちょっと甘すぎたかな?」


そう微笑む愛結花に優しくキスをした


長いキスに耐えられなくて
少し唇が開いた瞬間

俺は自分の舌を愛結花の舌に絡めた


甘いチョコの味がする


甘くて…甘くて…とろけそうだ


ずっとこうしていたい


そう思う程…



一度離れた後、何度も角度を変えて
激しく愛結花を感じるようにキスをした


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