あふれる、想い
海のように

決意

―shou―

愛結花の涙を見た瞬間


俺は俺が思う以上に

愛結花に不安を抱かせていた事に気づいた




俺は…間違ってた



愛結花は想いあって離れる辛さを知ってる



だから…だからこそ考えてた



俺は間違ってたんだな



「別に教師になるなら
この大学に行かなくても良いしな
最初に決めてた大学にするよ」



俺は親指で愛結花の涙をそっとすくいながら

愛結花に微笑んだ



愛結花も笑顔を向けてくれる



そう思ってたのに…


「…なんで?」


何で?



「本当はこの大学に行きたいんだよね?」



俺は何も言えなくなった





「…そっか」


何も言ってないのに…納得したように呟いて

愛結花は悲しそうに微笑んだ


その笑顔は…どういう意味なんだよ?


「私が翔の夢の邪魔をしてるんだね」


「ちがっ!!!」


そうじゃない

そうじゃないのに…


「なら…私がいなかったらどうしてた?
今みたいな答えって出てなかったよね?
ちゃんと言ってよ…」



……っ…




「愛結は遠距離とか無理だろ?
俺も…嫉妬深いから遠距離とか…難しい
そう思ってた
だから…別れた方が良いじゃんないかって
別れて…その大学に行こうと思った」



すっげー悩んだ


でも…岡野がいなくなった後の
愛結花を見てるから…


あんな思いをさせたくないって…


それなら、別れた方が良いって


だけど…愛結花と離れたくない


そう思う俺もいる


だから…迷ってた




愛結花が言葉を遮った時

それ以上言えなかったのも

迷ってたからだ


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