あふれる、想い
もう無理なんだな
愛結花の顔を見て思った
何で…こんな事になった…
俺が県外の大学を受けたからか?
不安にさせたからか?
それとも…考える時間を持たせたからか?
俺は…俺と過ごした時間を思い出して
『遠距離を頑張る』
そう言って欲しかったんだ
「俺が愛結を不安にさせたのが
いけなかったんだよな…」
「そんな事ない
翔は優しさと温もりを与えてくれた
翔の彼女になれて幸せだったよ」
そんな風に思ってくれてありがとうな
「俺も高校時代
愛結を好きだった事は後悔しない
これからもずっと…
愛結と付き合った日は
色々あったけど幸せだった
俺の彼女になってくれてありがとう
俺は…愛結花を愛してた」
初めて愛結じゃなく
愛結花って呼びかけた
「…ありがとう
私を彼女にしてくれてありがとう
翔が大好きだった」
「もうすぐ卒業だし
ギクシャクするのは嫌だから…
普通にしよう
友達に戻ろうな?」
「…うん」
「何か辛い事や嫌な事があったら
真っ先に俺に言えよな?」
「ありがとう」
俺は涙が零れた
愛結花も泣いてた
「幸せになれよな
愛結花にはいつも笑っててほしい」
「翔も…」
愛結花は静かに立ち上がり
俺から離れていった