あふれる、想い
唇が震える
「…いつ…帰って来たの?」
「15時ぐらいかな…
真っ先に会いに家に行ったけど
帰ってないって言われて
学校かなっと思ってさ」
蓮は優しく微笑んだ後
蓮の方を向いて固まってる私の
頬に流れる涙を親指で拭った
温かい感触が現実だと
頭にサイレンを鳴らす
「…愛結花…」
蓮に名前を呼ばれる事がこんなに嬉しいなんて…
その声が愛おしい
やっぱり…
蓮が…好き
でも…さっき別れたばかりの翔を思うと
胸が苦しくて痛んだ
「アメリカに行って…長かった
でも…これからはずっと傍にいれる」
蓮の顔から視線を外して俯くしか出来ない
「…ごめんなさい
待つって言ったのに…待てなかった」
「…岳志から聞いた
行く前から誰かの元にいってしまうかも
…そういう予感はあった
そうなった時、きっと隣にいるのも
……上條だろうって…」
「本当にごめんなさい」
「別に愛結花を責めてる訳じゃない
……今は…?」
「翔とは別れたよ」
「そっか」
安心したような声が聞こえてくる
だけど…だけどね
「私、蓮とはもう」