あふれる、想い

真っ直ぐ見つめてて…気づいた


気づきたくなかった



俺の首元には
愛結花がくれたネックレスがある


なのに…


「……ネックレス…捨てたのか?」


もし…捨てられてたら…
さすがに…ショック受ける


「捨ててないよっ!!!」



即答で強く言ってくれる愛結花に
良かったと心から安心した




「ちゃんと家に置いてあるよ」


「もうつけてくれないのか?」


夏に旅行に行って
一緒に見た星


あの星を忘れて欲しくなくて贈った


「つける資格が私にはないから…」


「資格って何だよ?」



「…蓮を待たず裏切った
翔の事を考えると…蓮の所に
何もなかったように戻れない
何より…1人になりたい」



何でだよ…


何で1人になる必要があるんだ?!


もしかして…



「俺より上條の方が好きか?」


そうだよな


俺は愛結花より夢をとった


寂しがるのをわかってて

待ってろ

そう言ったのに

連絡を断ち切った


愛想つかせてても…当然だよな



何も言わないのが答えなんだよな


認めたくないけど…


一度手を離したら…駄目…なんだよな


1人になりたい


帰って来たばかりの俺への優しさなんだよな


愛結花はいつも周りを考える奴だから…


もう愛結花の顔を見れない


今度は俺が俯いた


「勝手すぎるよな…
誰かの所にいっても
最後には俺の所に戻ってくれると思ってた
都合よすぎだよな
…帰って来ない方が良かったかもな
いや、顔を出すべきじゃなかった
ごめんな」



逢いたくて、逢いたくて仕方なくて…


愛結花も逢いたいって思ってくれてる


そんなの幻想だよな


俺は立ち上がった


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