あふれる、想い

次の日は

慶吾の知り合いの居酒屋で
卒業祝いをした


大橋と山口と愛結花


いつものメンバーだ



なぁ

笑ってるって事は

岡野とよりを戻したんだよな？



なぁ…

何で…目が笑ってねーんだ？



岡野と何かあったのか？？



俺と付き合った事を責められたのか?!



最初はノンアルコールだったのに

いつの間にか酒が出てきてた


でも…愛結花は一切口にしなかった


俺も飲む気にはなれなかった


慶吾のバカ話に
大橋と山口が盛り上がってるから

俺は愛結花の隣に移動した


「…なんかあったのか？」



「何もないよ？」


微笑んでる

けど…


「おまえ目笑ってねーよ？
どこの何を見てんだよ？」


「………」


愛結花が俯いたから
俺はコーラーが入ったグラスだけを見つめた



「岡野帰って来たんだろ？」


顔を見上げて俺を見つめる視線を感じる

でも…見れねーよ



「岡野とより戻せたのか？」


聞きたくね～

耳を塞ぎたい



「蓮とはよりを戻さない
私は…1人でいる」


弱々しい愛結花の声に

俺は思わず愛結花を見つめた



両手でグラスを持ち
揺らしてる


それが…すごく切なそうだったんだ



「岡野の事好きなんだろ？
何で…？」


心が痛い


「……好きじゃない」


は?!



「おまえ何言ってんの？
俺がどんな思いで…」


思わず大声を出した俺に
慶吾達が俺達2人を見ているのに気づいて
口を塞いだ



「慶吾、俺達帰るわ」


「お…おう」


俺は慶吾に愛結花の分もお金を渡し
愛結花からグラスを取り上げ
テーブルに置くと
無理矢理手を引っ張って居酒屋から出た