あふれる、想い
「あからさまに不機嫌な顔すんなよ
あいつらは喧嘩したって
お互い好きなんだから
仲直りするって」
「なら、いいけどよ…」
「どうせ喧嘩の原因も蓮だぜ?」
はぁ?
「おっ俺ぇぇ??」
「明日香はさ
辻の恋愛の事となると
おまえは母親かよってぐらい心配すんだよ
辻は自分の気持ちを押し殺して
周りに気を遣うのが癖だしな」
岳志は苦笑いを浮かべた
「明日香はあの通り
竹を割ったような性格だから
ヤキモキするし、心配すんだよ」
いやいや
惚気はいいからよ…
何でそれが俺?
「まだわかんねーのか?」
岳志は肩で笑って
それ以上、教えてくれなかった
「まぁ惚れてんのなら頑張れ
明日香も辻ばっか構ってねーで
俺を構って欲しいもんだ
それもこれも
おまえらのせいだかんなっ」
その一言で
岳志が言いたい事が全部わかった気がした
「岳志にも迷惑かけるな」
「別に良いけどなっ」
ニカッと笑って岳志が片手を挙げたから
俺達はハイタッチをした
俺もただ両手を広げて
気持ちを押してばっかじゃなく
ちゃんと愛結花と向き合って
話をしなきゃな…
何で飛び込んでこないか
聞かなきゃいけねーな
最初は愛結花の気持ちが
俺にないんじゃないか
そう不安になったりもした
だけど…最近は
愛結花の何気ない行動や言葉から
俺を想ってくれるのが伝わるんだ
伝わってきたなって思うと
途端にシャットダウンする
やっぱ…上條が原因なのか?
そう思いながら…
いい事考えた!!!
岳志に提案してみる
「そりゃいいやっ!!!
俺も協力するわ」
「やり~
じゃあ頼むな」
「おう」
しめしめ…たぶんコレで本音を言うはずだ