あふれる、想い
―ayuka―


ただ今、明日香と喧嘩中



「この子にはちゃんと
一度言わなきゃわかんないのよ」



「言われなくてもわかってるよ!!!
でも、そんなに簡単に出来ないの!!!
明日香にはわかんないよっ」



「わかる訳ないでしょ!!
わかって欲しければちゃんと言えっ」



明日香がそう言った瞬間

蓮と矢野君は外に行ってしまった



待って…

矢野君がいなきゃ
誰が明日香を止めるのぉぉ!!!



「言いたい事あるならちゃんと言えば?」


明日香のふんって態度に何だか…

…カッチーンときた


「言ったってわかりっこない」


その言葉に今度は明日香から
冷静の色が消えた


「言う前から決めつけないでよね
愛結はいつでも何でも自分で溜め込んで
何で言ってくれないの?!?!」



「っ…言えない事だってあるよ」



「何それ?!
それって私の事信頼してないって事でしょ!!」



「ちがっ…」


「違わない!!!
いつか言ってくれる
そう思っていつも言ってくれるの待ってるのに
いつも愛結は言ってくれないじゃん?
親友だって思ってるの…私だけかなって思うじゃん」


語尾が段々弱々しくなる明日香は
涙を浮かべてた



「違うよっ!!!
明日香の事、私だって親友だって思ってる

そうじゃない、そうじゃないの

自分でもうじうじした自分が嫌いで
言っちゃったら…
…嫌われるんじゃないかって怖いの」


「嫌わないよ!!
ちゃんと…言ってよ」



いつも心配してくれる明日香

真剣に向き合ってぶつかってくれた

私も明日香に応えなきゃ



私は思ってる事を

ゆっくりだけど

明日香に伝えた



「岡野はもういなくなったりしないよ!!」


「でも…他の人にいったりしたら…」



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