あふれる、想い
「いかないと思うよ
いくぐらいなら
今みたいに本気になってないし…
愛結は知らないだろうけど
岡野モテるし結構、告られてんだよ?
それでも愛結花がいいって断ってんだから…」
いつも一緒にいるのに
…知らなかった
「もしさ
岡野が他所にいくのが怖いなら
他所にいけれないようにすればいいじゃん?
いったら取り戻せばいいじゃん?
愛結花の悪い癖は
何かをする前から
何でも諦める事だよ」
わかってる
わかってるよ
「まぁさ
旅行中にでもその不安な気持ちを
岡野にでもぶつけてみなよ?」
「…うん」
「言わなきゃ気持ちなんて
伝わんないんだからね」
それもわかってる
でも…そんなの言いにくい
「ちょっと勇気だして頑張りな
って事でお腹空いたから
仲直りね」
明日香がお腹を左手で押さえながら
右手を出してきた
クスクス笑いながら
私も右手を差し出した
「何笑ってんのよ?」
「明日香のそういう所、大好きだよ?」
サバサバしてる性格
でもね
これは明日香の気遣いだってわかってる
「まぁ私も愛結のウジウジしたとこも
嫌いじゃないよ?」
明日香がニヤニヤしてる
「「ぷっ…あははは」」
2人で笑ってから外に出た
「おっ
仲直りしたか?」
矢野君がわかってたって感じで笑ってる
「た~けし~
さっきはごめんね?」
「別にいいよ」
矢野君は優しそうに明日香に笑いかけながら
明日香の頭を撫でてる
付き合って数年経つのに
いつまでも仲が良いなぁ
ちょっぴり…
ううん
…かなり
…羨ましい