あふれる、想い

「アメリカに行く時
繋いだ手を離した事を後悔した
今、こうして手を繋げる事が
どれだけ幸せかもわかった
俺は愛結花が好きだ
たぶんこれからもずっと…
愛結花を想い続ける」


愛結花が泣き始めたのがわかる


だけど、俺は海だけを真っ直ぐ見つめて
愛結花を見ずに続けた

今、愛結花を見れば何も言えなくなる


「俺は愛結花を好きになって良かったと思う
愛結花と出逢って
人を好きになる気持ち
愛おしく思う気持ちを知った
俺は愛結花を愛してる
例え恋人として戻れなくても
友達として…幸せを願う」


愛結花が俺を好きでなくても
俺は愛結花の傍にいたい


だから…好きという気持ちは
もう2度と出さない

傍にいる事で辛い思いをするかもしれない


それでも、友達という立場で
愛結花の傍にいたい


そう思う反面…


「………蓮」


愛結花が小さく呟いた俺の名前に
俺は胸がしめつけられそうだった



「俺はもう愛結花に近づかない
傍にいたら…きっと愛結花の幸せを邪魔する
だから…遠くで応援してる」


友達としてでも傍にいたいけど
俺は絶対その枠を超える



俺…アメリカから帰って
ずっと走り続けて頑張ってきた


たった数ヶ月だけど…


でも…もう正直、疲れたかもな


報われない想いを伝え続けて重荷になる事に
振り向いて貰えない事にも全てに…



もう愛結花を笑顔にするのも
涙を拭ってやるのも…俺じゃダメだろ


愛結花が言ってくれた
蓮は太陽だという言葉

でも、俺は太陽になれなかった



俺は自分の気持ちを

心を

胸の奥深くに押し込み

無理矢理、蓋をした

2度と開く事はないだろう


愛結花が何も言わずに泣き続けているのが答えだ

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