あふれる、想い

―syou―


朝はいたのに、いつの間にか
辻と…原田もいない

あいつらとサボってんのか?


ダメだ

何度思っても…辻の事ばかり考える


近すぎて気づかなかった


隣の席に辻がいて
話を聞いてもらって
騒いで…
毎日が楽しかった


席が離れて気づいた


俺は辻が好きだって


1時間目が終わって辻が戻ってきた

少しするとまた岡野が来た


しょっちゅう休み時間は来るし

昼休みも一緒だし…

付き合ってんだろうな


でも…気持ちだけでも伝えたい


このまま気持ち抱えてられねーよ


「辻ちょっと」


辻の腕を掴んで

返事も聞かないまま辻を引っ張って屋上に来た



「上條?」


「俺…辻が好きだ」


「…はぁ?
麻紀ちゃんが好きなんでしょ??」


「山口はただの憧れ」


辻がいきなり泣き出した


「…どうしたんだよ?」

何で泣いてんだ??


「あんなに…あんなに辛い思いして協力したのに
なんで…ただの憧れ?
辛かったのに~」


もしかして辻も俺が好き?


「あの時、その気持ちを聞かされてたら…
きっと迷いなく上條に飛び込めた
でも…今は無理だよ」


「…岡野がいるからか?
岡野が好きなのか??」


「・・・・・・」

辻は何も言わない


バンッ

扉が急に開いた
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