あふれる、想い
―ren―


辻と話してたら、上條が急に辻を連れて
教室から出て行った


…やばくないか?


「岡野!!
あんたはいいの?」


原田の声で俺は走った


どこに行ったんだ…


屋上!!


屋上に上がってると
辻と上條の声が聞こえる


上條が…辻に告ってる


バンッ


例え2人が両思いでも
俺は…辻をいかせたくない


扉を開けると辻が泣いてた


「おまっ何泣かしてんだよ」


思わず上條の胸ぐらを掴んだ


「岡野君やめて
私が勝手に泣いただけだから」


辻に必死に止められて
手を下ろした


「何で…今更なんだよ
俺は辻が上條の事で悩んで
辛い思いしてた時から傍にいた
ずっと…好きだったのに
いきなり横からかっさらうのかよ」


「俺も辻が好きだ」


何だよ、今更

やっとここまで辻との距離が縮まったのに…


俺じゃダメなのか?


辻の方を真っ直ぐ見る


でも…目を逸らされた

…っ

胸が痛い


「俺が邪魔なんだよな…」

そういうと屋上から飛び出してた

もう見たくねーよ


辻が他の男を想うところも

そいつの事で泣くとこも…


本気で好きだったのにな






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