あふれる、想い

―ayuka―

岡野君が女の子と話してる時
心がキューって締め付けられた


上條の事を言われた時は
切なくて苦しくなった


涙が出てきて…走って逃げた

あのまま、岡野君といると
泣き崩れそうだったから…


あんな冷たい声聞きたくなかった


でも…あんな声を出させたのは私


走って逃げてると
上條にぶつかった


心配してくれるけど
何が何だか…


私は誰が好きなの?



何も言わずに傍にいてくれる上條


「辛いなら俺が支えになるから…」


でも…それじゃあ私は
上條にも岡野君にも支えて貰ってばっかりだ


何で…好きな人を決められないの


何を迷う必要があるの??


自分で自分が嫌になる


どちらかを選ぶ?

どちらも選ばない?


でも…上條も岡野君も気になるんだ


私って何なんだろう


空を見上げながら思った


何だか視線を感じて振り返ると
岡野君がこっちを見てた


目が合った


「…岡野君」


「泣いてたから…気になって探したんだ
でも…もう大丈夫みたいだな」


ははって笑ってるけど…悲しそうな顔をして
岡野君は去って行った

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