あふれる、想い
屋上のドアを開けると
腕時計を見ながら
仁王立ちしている明日香


「10、9、あぁやっと来た!!
遅い!!」


「はぁ…はぁ」


肩で息をする

5分だよ?

褒めて欲しいぐらいだよ

矢野君も隣で笑ってないで
明日香を止めてよ~


「しかも何ちゃっかり手繋いでんの?」

恥ずかしくなって
手を抜こうとした瞬間
力強く握り締められた


「蓮…良かったな」


矢野君が笑いかけてくれて
岡野君とハイタッチをした


青空によくあってる
気持ち良い音


それを見つめていると
明日香に抱きしめられた


「愛結~本当良かった
幸せになるんだよぉ」


明日香が涙を流して喜んでくれる

胸が熱くなる


「うぅ…明日香~
心配かけてばっかでごめんね~」


「本当だよ~」

開いている左手で明日香を抱きしめた


いつも心配してくれた明日香

一度も私を責めなかった

きっとイライラしたりしてたと思う

それでもいつも傍にいて
私を安心させてくれた


「明日香は本当に大好きな親友だよ」

「そんなの前からだ~」

明日香が親友で良かった


ひとしきり泣いてお互いを見つめ合った

「ひっどいかお~」

「明日香だって~」

2人で笑い合った

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