あふれる、想い
―syou―


辻が帰ってくるのを
辻の席で待ってたら
岡野と手を繋ぎながら帰って来た


胸が痛い


もしかしたら…岡野の位置は
俺の位置だったのかもしれねーのに


岡野が教室に入って来た瞬間
睨んできた


俺も負けじと睨み返す


真ん中で青白い顔をしてる辻


近寄って辻だけを見つめる


「さっきも言ったけど
俺は諦めないから」


「辻は渡さない」


絶対、岡野がそう言ってくると思ってた



「俺は本気だから」


言い放って席に戻った



勝ち目なんてない

勝てる自信もない


だけど…好きなんだ


だから…少しだけ悪あがきさせてくれよ



もう一度、辻に想われたい

叶わないかもしれない


でも……

1%でも可能性があるなら
俺はそれに賭けたい


未練がましいのもわかってる

でも、好きな気持ちを
消し去る方法がわからない


だったら…頑張ってみるしかねーよな

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