あふれる、想い

不安の種

―ren―


やっと辻が彼女になってくれた


俺は幸せいっぱいだ


でも…心から喜べない


それはやっぱりこいつの存在


諦める気はなさそうだ


上條の気持ちはわかるけど
俺だって譲れねーよ


この気持ちだけは…


辻だけは…



授業が終わって一緒に帰ろうと思って
岳志と隣のクラスに来た


岳志は教室に入るとすぐ原田の元に行った

俺も辻の元に…

なのに…何故か辻の隣の席に座って
辻に話しかけてる上條


「久しぶりにカラオケ行かね?」

「ん~…やめとく」

「岡野が行くなって言ってんのか?」

「岡野君はそんな事言わないよ」

「じゃあ行こうぜ?」

「…ごめん」

ヤバイ!!


「辻、帰ろう?」

「あっ、うん
上條ごめんね」

「じゃあまた今度行こうな
辻の歌声、最近聞いてないしな」


俺なんか辻の歌声自体聞いた事ねーよ

なんか…悔しいな


「岡野君行こう?」

廊下に出るとちょうど前に
岳志と原田が歩いてた


「おう」


俺は早歩きで2人に追いついた

辻は必死に着いて来てる


「なぁ4人でどっか遊びに行かね?」

原田が乗れば絶対、岳志もついて来る


「いいね~
カラオケでも行く?」


ナイス!!原田

俺の心でも読めるのか?!


「明日香はカラオケ好きだもんね」

辻が笑いながら原田に話しかけてる


「じゃあ行こうぜ」

岳志が答えてくれてカラオケに向かった

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